梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
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渋沢栄一は、日本の実業界、ひいては資本主義の制度を設計した人物であり、実業界の父、日本資本主義の父と呼ばれ、ノーベル平和賞の候補にもなった。
論語は、中国の春秋時代末期に活躍した孔子とその弟子たちの言行録であり、人はどう生きるべきか、どのように振舞うのが人として格好良いのかを学ぼうとするときの基本的な教科書となっていた。
第1章 処世と信条
論語とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの
国の富をなす根源は何かといえば、社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富である。
争いはよいのか、悪いのか
争いは何があってもなくすべきものではなく、世の中を渡っていくうえでもはなはだ必要なものである。
蟹穴主義が寛容
世の中で成功者と呼ばれる人々は、必ず、あの困難をよくやり遂げた、あの苦痛をよくやり抜いたという経験がある。
第2章 立志と学問
大きな志と、小さな志との調和
論語は、普段から社会で生きていくための教科書としている古典である。
孔子の志の立て方として、吾、十有五にして学に志す(私は15歳で学問に志した)、三十にして立つ(30歳で自立した)、四十にして惑わず(40歳で迷わなくなった)、五十にして天命を知る(50歳で天命を知った)とあることから、孔子は15歳の時に、すでに志を立てていたと思われるが、30歳に至って決心のほどがみえ、40歳になって初めて志を完全に立てられたようだ。
志を立てる要は、よくおのれを知り、身のほどを考え、それに応じてふさわしい方針を決定する。
一生涯に歩むべき道
欧米諸国が強さを誇った理由は、商工業の発達にあることだったため、国家のために商工業の発達を図りたいと考え、実業界の人になろうと決心がついた。
第3章 常識と習慣
常識とはどのようなものなのか
人の心を分析して智、情、意の三つに分類する。人として知恵が充分に発達していないと、物事を見分ける能力に不足してしまう。情は一種の緩和剤で、何事もこの情が加わることによってバランスを保ち、人生の出来事に円満な解決を与えてくれる。さらに、意思が動きやすい感情をコントロールする。
人生は努力にある
知識がどんなに十分あっても、これを活用しなければ何の役にも立たない。勉強したことを実践に結び付けることが必要。生涯学んで、はじめて満足できるレベルとなる。
第4章 仁義と富貴
本当に正しく経済活動を行う方法
利益を得ようとすることと、社会正義のための道徳にのっとるということは、両者バランスよく並び立ってこそ、初めて国家も健全に成長し、個人もちょうどいい塩梅で、富を築いていく。
鉄道の改札を通り抜けるにも、狭い場所で我先にとみながひしめくことになれば、誰も通れなくなる。自分さえよければいいという考えが結局自分の利益にならない。
経済活動と富と地位を、孔子はどう考えていたか
道理をともなった富や地位でないなら、まだ貧賤でいるほうがましだ。もし正しい道理を踏んで富や地位を手にしたのなら、何の問題もない。また、富が求める値打ちをもっているのなら、どんなに賤しい仕事にもつくとしている。
高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず他人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる。
金銭に罪はない
渋沢栄一は論語とソロバンは一致すべきものであるという自説を唱えている。孔子は、道徳の必要性を切実に教え示されているが、その一方で経済についてもかなり注意を向けている。
論語にも散見されるが、大学という古典のなかで財産を作るための正しい道が述べられている。
よく集めて、よく使おう
お金を大切にするのはもちろん正しいことだが、必要な場合にうまく使っていくのも、それに劣らずよいことなのである。
第5章 理想と迷信
熱い真心が必要だ
事業に取り組む場合も、単に務めるだけではなく、そのことに対して趣味を持たなければならない。
1日を新たな気持ちで
何についても「1日を新たな気持ちで」という心掛けが肝心である。
第6章 人格と修養
自分を磨くのは、理屈ではない
徳川家康の遺訓に、人の一生は、重い荷物を背負って、遠い道のりを歩んでいくようなもの、急いではならないとの一節がある。
現代において自分を磨くこととは、現実のなかで努力と勤勉によって、知恵や道徳を完璧にしていくことである。
実際に効果のある人格の養成法
世界の大国がいずれも宗教をもって道徳の規範を樹立しているのに比べ、日本ではない。
人格を磨くための方法や工夫は仏教、キリスト教など色々とあるが、渋沢栄一は、儒教に志してきた。
第7章 算盤と権利
仁を実践するにあたっては、自分の師匠にも遠慮しない
孔子が高く信頼できる点として、奇蹟が一つもないことである。
王道 思いやりの道をただ歩むだけだ
資本家と労働者との間には、もともと家族的な関係が成立していた。
競争の善意と悪意
孔子の教えでは、親や目上の者を大切にすることは、仁という最高道徳を身につける根本である。
何かを一所懸命やるためには、競うことが必要になってくる。競うからこそ励みも生まれ、競争とは、勉強や進歩の母なのである。
合理的な経営
一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきである。
第8章 実業と士道
自分を磨き、良き家庭をつくり、国を治め、天下を平和にするという儒教の教えを江戸幕府は統治の方針としていた。
第9章 教育と情誼
孝行は強制するものではない
渋沢栄一は、親不孝にならずに済んだのは、父が孝行を強制せず、広い心で私に臨み、私の思うままの志に向かって進ませてくれた賜物であると。
現代教育の得たのも、失ったもの
昔の人間は、自分を向上させるために学問した。今の人間は、名前を売るために学問をすると論語にも嘆きが収録されている。
偉人とその母
女性だからといって教育はおろそかにするようなことがあってはならない。
第10章 成敗と運命
良心と思いやりだけだ
大いなる楽しみと喜びの気持ちをもって事業に携わっていくなら、忙しく、いかにわずらわしくとも、飽きたり嫌になってしまう苦痛を感じるはずもないだろう。
順逆、二つの境地はどこから来るのか
賢者も愚者も、生まれたては同じようなもの。しかし、学問をしないことによってたどりつく先が異なってしまう。
細心にして大胆であれ
先進諸国と競争し、角を突き合わせ、追い越していこうとするためには、彼らの何倍もの努力を重ねて進んでいかねばならない。
成功と失敗は、自分の身体に残ったカス
成功や失敗といった価値観から抜け出して、超然と自立し、正しい行為の道筋にそって行動し続けれるなら、成功や失敗などとはレベルの違う、価値のある生涯を送ることができる。
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