超訳 論語 「人生巧者」はみな孔子に学ぶ 田口佳史著

論語は、天井知らずで生きる知恵を授けてくれる稀代の書。
論語は、転ばぬ先の杖となって私たちを導いてくれる。
孔子は、2500年以上経った今にも通用する教えを私たちに授けることができるのは、孔子自身が貧しい生まれで、大変な苦労をした人物であるからである。
学びに目覚めたのは、ようやく15歳くらいで、そこから学んで、学んで、学び続けた。なかなか政府の要職につけないなど、数々の辛酸をなめながら、道を外れることなく生き抜いた。そして後世に、釈迦、ソクラテスと並ぶ世界の三大聖人とまで讃えられる存在となった。
孔子のメッセージは、向上心を持ち続けなさい。そうすれば、より良い人生も、立身出世も、ビジネスの成功も、結果として手に入るということである。
本書は、全二十篇のなかから、選りすぐった論語を超訳されている。ここではいくつか紹介とする。


一.学而 私たちは、なぜ学ぶのか

学びて時に之を習う、また悦ばしからずや。
人生は学びだ。忍耐強く繰り返し学ぶなかで身につけたことを実践しながら、人生に生かす。それにまさる悦びはない。

人知らずして怨みず、また君子ならずや。
学ぶ目的は、自分を高め、立派な人間になること。人に自慢したり、人から褒められたりするためではない。評価されないからといって、怨みに思うのは、学びの本筋から外れている。

吾日の吾が身を三省す。
事あるごとに自身の振る舞いを省みて、よくない感情をなくしていきなさい。自己反省なくして、自身の向上はない。

二.為政 賢い人の考え方、愚かな人の考え方

故きを温めて新しきを知れば、以て師為るべし。
古典は何度も何度も読んで初めて、自分の血となり、肉となる。やがて新しい自分を発見することもできるだろう。

学びて思わざれば則ちくらし。思いて学ばざれば則ちあやうし。
知識や情報を得ることに満足してはいけない。どう応用できるかを自分の頭で考え、創意工夫をこらしていくことが大切である。

之を知るを知ると為し、知らざるを知らずと為す。
知っていることと知らないこととの境界線をはっきりさせる。そのうえであやふやな知識を真に知っているといえるまで本質を究めなさい。

三.八佾 もっと器の大きな人になる

君は臣を使うには禮を以てし、臣は君に事うるに忠を以てす。
上に立つ者は部下に対して礼儀をわきまえて接する。部下は上司に対してウソ偽りのない心で接する。それが上下関係を円滑にする秘訣である。

四.里仁 結局、仁とは何なのか?

仁に里るを美と為す。
家庭でできないことは、外でもできやしない。思いやりの心を養うには、まず家族関係から正していく必要がある。

唯仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む。
人の真価は、立派な人間であるか否かより、立派な人間になろうと努めているかどうかにある。努力しない人には奮起を促すべきだ。

五.公冶長 それは道理にかなっているか

魯に君子者無くんば、これ、焉んぞこれを取らん。
身近にいいお手本となる人がいると、下の者も立派な人物となる。

六.雍也 人生、楽しむことにまさるものなし

之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。
まず学んで知識を得る。次に、学ぶことそのものを好きになっていく。さらに知識を深めるにつれて、学ぶことが楽しくなっていく。その境地にまで達するのが、学ぶことのすばらしさだ。

七.述而 十年後、明るい未来が待っている人

述べて作らず。
私が説く事柄はすべて、昔の聖人や偉人たちが考え、行動し、経験したことをなぞっている。歴史と古典に学ぶことが自分の人生を豊かにするのだ。

八.泰伯 自己向上に終わりはない

士は以て弘毅ならざる可からず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す。亦重からずや。死して後に已む。
人生でやるべきこと。その任務は重く、達成までの道のりは遠い。死ぬまで休む暇なんかありはしない。

九. 子罕 あなたは必ず変わることができる

吾少くして賤し。故にひじに多能なり。
私は若いときに賤しい身分だったから、下々の仕事をたくさんやった。そのおかげで、いろんなことに精通できた。生きていくうえでムダな苦労など一つもない。

たとえば山をつくるが如し。未だ一簣を成さざるも、止むは吾が止むなり。
あとひと息で完成するというとき、そのあとひと息をがんばれなかったら、すべての努力は水泡に帰す。誰の、何のせいでもない、やめたのは自分自身だと自覚しなさい。

十. 郷党 振る舞いにはすべてが表れる


寝ぬるにしせず。居るに容づくらず。
寝ているときにもだらけてはいけない。しかし、だからといって、家にいるときまで緊張することはない。身支度だけはちゃんと整え、大いにくつろいで過ごしなさい。

十一. 先進 いつも慎重であれ、丁寧であれ

敢て死を問う。曰く、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らんと。
まだ生とは何なのかも理解していないのに、死がどういうものかはわからない。そんなことより目の前のことに一生懸命になりなさい。

十二. 顔淵 克己復礼の輪を広げていく

己に克ちて禮を復むを仁と為す。
私利私欲を抑制し、真心から礼を尽くすことが仁である。

己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ。
常に相手の身になって、望まないことをしてはないかと自らに問うことが大切だ。

十三. 子路 人を動かす極意

之に先んじ之を労う。
リーダーは率先して働き、ひと仕事終えたら、協力してくれた部下をねぎらってやることが大切だ。

十四. 憲問 道を踏み外さないために

士にして居を懐うは、以て士と為すに足らず。
権力は公に尽くすためにある。私利私欲を満たすほうに流れるような人間に権力を持たせるわけにはいかない。

十五.衛霊 人生には責任がつきまとう

之を如何せん、之を如何せんと曰わざる者は、吾之を如何ともすること末きのみ。
どうすればいいだろう、どうすればいいだとうと一生懸命考えている人でなければ、指導のしようがない。

十六.季氏 ここを戒めよ。

善を見ては及ばざるが如し、不善を見ては湯を探るが如くす。
善行に触れたら、自分にはおよばないなと反省し、よからぬ行為を目にしたら自分は手を染めないと思う。それが立派な人間の心得である。

十七.陽貨 人の天性には差がない

性相近し。習相遠し。
人間の天性には差がない。生まれてからの学びや習慣によって、立派な人とそうでない人との違いがでてくるのだ。

十八. 微子 こんな国、社会、組織にするな

備わらんことを一人に求むること無かれ。
一人の人間に完璧を求めてはいけない。欠点があることを前提に部下を使いなさい。

十九. 子張 改めるべきこと、改めざるべきこと

博く学びて篤く志し、切に問いて近く思う。仁其の中に在り。
志を立てて広く学び、わからないことはわかるまで、とことん考える。そうしたなかで、人の道を見出すことができる。

君子の過や、日月の食の如し。
太陽も月も、日食、月食のときに欠けたところのある姿を露わにするように、立派な人間は自分の欠点をも隠さない。

二十. 堯曰 論語の精神、ここにきわまれり

子曰く、命を知らざれば、以て君子たること無きなり。禮を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり。
孔子はいった。天命を知って生きる、規範を守って行動する、人の言葉をよく聞き理解する。知名、知礼、知言を意識して生きていくのがよいと。

 

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