道をひらく 松下幸之助著

道をひらく
松下幸之助 パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者、9歳で単身大阪に出、火鉢店、自転車店に奉公ののち、大阪電燈株式会社に勤務、23歳で松下電器具製作所を創業(のちに松下電器産業に改称)。

運命を切りひらくために


自分には自分に与えられた道がある。自分だけに与えられているかげかえのないこの道ではないか。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。たとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。

志を立てよう
生命をかけるほどの思いで志を立てよう。志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。志を立てるのに、老いも若きもない。志を立てよう。自分のためにも、他人のためにも、そしておたがいの国、日本のためにも。

病を味わう
軽重のちがいはあれ、人はその一生に何回か病の床に臥すのである。何回病気をしようとも、死につながる病というものは1回きり

日々を新鮮な心で迎えるために

日々是新
年があらたまれば心もあらたまる。心があらたまればおめでたい。年の始めは元日で、1日の始めは朝起きたとき。年の始めがおめでたければ、朝起きたときも同じこと。

くふうする生活
とにかく考えてみること、くふうしてみること、そしてやってみること。失敗すればやりなおせばいい。やりなおしてダメなら、もう一度くふうし、もう一度やりなおせばいい。やってみれば、そこに新しいくふうの道もつく。

サービスする心
自分の持てるものを他に与えることによって、それにふさわしいものを他から受けるのである。これで世の中は成り立っている。多く受けたいと思えば多く与えればよいのであって。与えるというのは、わかりやすくいえば、サービス。自分の持っているもので、世の中の人びとに精いっぱいのサービスをすることである。頭のいい人は頭で、力のある人は力で、腕のいい人は腕で、優しい人は優しさで、そして学者は学問で、商人は商売で・・・。

みずから決断を下すときに

断を下す
要はまず断を下すことである。自ら断を下すことである。それが最善の道であるかどうかは、神ならぬ身、はかり知れないものがあるにしても、断を下さないことが、自他共に好ましくないことだけは明らかである。

カンを働かす
世に言われる科学的な発明発見の多くのものは、科学者の長年の修練によるすぐれたカンに基づいて、そのカンを原理づけ、実用化するところから生み出されている。要は修練である。

困難にぶつかったときに

心配またよし
人生つねに何かの心配があり、憂いがあり、恐れがある。人生の脅威ともいうべきものを懸命にそしてひたすら乗り切って、刻々と事なきを得てゆくというところに、人間としての大きな生きがいをおぼえ、人生の深い味わいを感じるということが大事なのである。

時を待つ心
いかに望もうと、春が来なければ桜は咲かぬ。いかにあせろうと、時期が来なければ事は成就せぬ。冬が来れば春はまた近い。桜は静かにその春を待つ。それはまさに、大自然の恵みを心から信じきった姿といえよう。だが何もせずに待つことは僥倖を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。

自信を失ったとき

失敗か成功か
一つでも成功したかぎりは、他の九十九にも成功の可能性があるということではないか。そう考えれば勇気がわく。希望が生まれる。どちらに目を向けるか。一つに希望をもつか、九十九に失望するか。

絶対の確信
おたがいに過ち少なく歩むために、あれこれと思い悩み、精いっぱいに考える。確信ありげに見えても、ほんとうは手さぐりの人生で、まことにつつましやかなものである。

仕事をより向上させるために

自分の仕事
どんな仕事でも、それが世の中に必要なればこそ成り立つので、世の中の人びとが求めているのでなければ、その仕事は成り立つものではない。自分の仕事は、自分がやっている自分の仕事だと思うのはとんでもないことで、ほんとうは世の中にやらせてもらっている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある。仕事が伸びるか伸びないかは、世の中がきめてくれる。

働き方のくふう
人より一時間、よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが、今までよりも一時間少なく働いて、今まで以上の成果をあげることも、また尊い。そこには人間の働き方の進歩があるのではないだろうか。それは創意がなくてはできない。くふうがなくてはできない。

事業をよりよく伸ばすために

見方を変える
道はいくつもある。時と場合に応じて、自在に道を変えればよいのである。ムリを通そうとするとゆきづまる。何ごともゆきづまれば、まずは自分のものの見方を変えることである。何ごとも一つに執すれば言行公正を欠く。深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それが悪ければ、また見方を変えればよい。

ファンがある
芸能界だけではない、個人にも、お店にも、また会社にも、それぞれにそれぞれのファンというものがあるのである。自分のファンを、もっと大事にし、その好まれている自分の良さを、精いっぱい伸ばすようにつとめたい。そこに個人の、お店の、そして会社の繁栄の鍵がある。

自主独立の信念をもつために

後生大事
仕事が成功するかしないかは第二のこと。要は仕事に没入することである。一心不乱になることである。

学ぶ心
自分ひとりの頭で考え、自分ひとりの知恵で生みだしたと思っていても、本当はすべてこれ他から教わったものである。すべてに学ぶ心があって、はじめて新しい知恵も生まれてくる。よき知恵も生まれてくる。学ぶ心が繁栄へのまず第一歩なのである。

生きがいある人生のために

勤勉の徳
勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。勤勉の習性を身につけるためには、まずは日々を勤勉につとめる努力がいるのである。

信念のもとに
経営者に信念がなければ事業はつぶれる。そして店主に信念がなければ店がつぶれる。正しい国是を定め、誇りある社是を定め、力強い店是をきめて、強い信念のもとに、自他ともに確固たる歩みをすすめたい。

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