新型コロナウイルス抗体検査 ワクチン接種後の抗体価

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んできております。
これまでは、過去に新型コロナウイルスにかかったかどうかを調べる抗体検査が主に行われてきました。
検査は、過去の自然感染歴を調べるもので、指先の穿刺で済むその場でわかる迅速キット(簡易検査)による定性検査(プラスかマイナスかわかる検査)が主でした。当院ではその他、採血による定量検査(抗体の量がわかる検査)も行っておりました。
現在、ワクチン接種が進む中、採血による定量検査でもワクチン接種によるウイルスに対する中和抗体(ワクチン接種の目的とするもの)の獲得ができているかを調べる抗体検査が行われるようになって参りました。

抗体検査を行っている方々は、主には、①ワクチン接種後にどれくらいの抗体があるのか知りたい方の他、②ワクチン接種後の副反応がほとんどなくワクチン接種効果が気になる方、逆に、③1回目(あるいは2回目)のワクチン接種による副反応が強く出たり、ショックや迷走神経反射がでたため2回目(あるいは3回目)のワクチン接種を避けたい方、④出張や海外への渡航・赴任される方、⑤妊娠希望でワクチン接種を見合わせている方などです。
ただし、ご注意事項として、①ワクチンを接種し抗体価があったとしても、新型コロナウイルスへの感染を完全には予防できず、感染しないわけではないこと。ただし、重症化の予防効果はあるため、厚生労働省もワクチン接種後の抗体検査を勧めているものではありません。また、②どのくらいの抗体価があると発症や重症化を予防できるかは現時点では研究が進すすめられている段階ですので、明確な基準値とはなっておりません。③ワクチン接種後の発熱を除く、新型コロナウイルス感染が疑われ診断が必要な状態の方は、やはりPCR検査や抗原検査が必要となりますので予めご留意なさってください。

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