尿路結石

基本的に結晶結石とは違うものです。
結晶は、飽和して融解、溶解できなくなった塊が結晶です。
結石は、無機質の結晶にマトリックス成分などの有機物質がついて形成されます。

尿路結石の原因で一番多いのが、シュウ酸カルシウム結石などのカルシウム結石が80%ぐらいで、次に尿酸結石で3-4%、その次にシスチン結石で1%くらです。
尿路結石は、体質、メタボリックと関係すると言われており、先ほどのシュウ酸、尿酸はメタボリックによって非常に大きく変わります。
ただし、シュウ酸は、ホウレンソウ、キャベツ、レタス、ブロッコリー、サツマイモ、タケノコなどの野菜やお茶、コーヒー、紅茶などの嗜好品に比較的多く含まれています。
また、尿酸のもとになるプリン体も含め肉類、ビールにもシュウ酸は含まれています。
痛風の患者さんで明らかに増える結石は尿酸結石もありますが、むしろシュウ酸結石とも言われていますので、尿酸とシュウ酸の何らかの相互作用で石ができやすいようです。

結石ができやすいタイミングは、寝ているときです。
寝ているときは、水の補給がないですし、汗もかきます。
特に、夜、例えば、ビールを飲んで焼肉を食べて喉が渇いた状態で寝ると、尿中のシュウ酸濃度は上がります。
時期的には、夏を過ぎたくらいの9月から10月に多いと言われます。

結石の予防には、水分を1.5~2Ⅼ程度飲むのが良いとされます。
ただし、先ほどもありましたがビールは、プリン体やシュウ酸を含みますし、利尿効果で脱水にもなりますので、ビールで水分を補うのはおすすめできないようです。
また、カルシウム不足によりシュウ酸の吸収と尿への排泄が増えて逆に結石形成を促進することが分かってきましたので、むしろカルシウムの摂取も大事です。
また、動物性蛋白や脂肪過剰摂取も控え、クエン酸の適量摂取もすすめられています。

結石の治療には、自然排石が可能な時は、飲水や点滴により自然排石の促進を行います。
また、自然排石が困難な場合は、体外衝撃波結石破砕術(からだの外から衝撃波を結石に照射して、強力なエネルギーによって結石を砂粒状に粉砕させる方法)と内視鏡による砕石手術(膀胱や尿管の結石を内視鏡により破砕すること)などの手術があります。

《関連ページ》

画像の説明