梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
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我が国の心不全治療ガイドラインでは、心不全の進行について、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病などの心不全危険因子をもつが、症状や構造的/機能的異常を伴う心疾患、心不全のバイオマーカー(BNPまたはNT-proBNP)、あるいは心筋トロポニン)上昇のいづれもないステージA、構造的/機能的心疾患、心内圧上昇所見、または心不全のバイオマーカー上昇のいづれかを認めるが心不全症状のないステージB(前心不全)、症候性心不全であるステージCを経て、治療抵抗性心不全であるステージDに進展するステージ分類が提示されています。
高血圧は心不全症候のないステージA/Bから早期治療介入し、心不全発症を予防することが重要とされています。
1)心不全ステージA/B
心不全リスクのステージA、および前心不全のステージBから症候性心不全であるステージCへの進展を予防するためには、高血圧管理が重要です。
収縮期血圧10㎜Hg下降することで、心不全発症は28%減少することが示されており、心不全での降圧目標値は、一般的な心血管イベント抑制における降圧目標値に準じて130/80mmHg未満を目指します。
高血圧患者の心不全の発症予防には、冠動脈疾患の予防と左室肥大の抑制が重要です。
すべての主要降圧薬は、高血圧患者の心不全発症を減少させ、左室肥大退縮効果を認め、また、特に、利尿薬(サイアザイド系利尿薬)とRA系阻害薬の心不全抑制効果が強いことが示唆されています。
また、SGLT2阻害薬は、ナトリウム利尿効果、降圧効果、心不全を含めた心血管イベント抑制効果が証明されており、糖尿病合併高血圧患者では投与を検討します。
2)心不全ステージC/D
ステージCとステージDは心不全ステージであり、とくにステージCでは、降圧療法は心不全急性増悪時の血行動態安定化と、急性増悪をくりかえさないことを目的とします。
心不全は左室駆出率の低下した心不全(HFrEF、左室駆出率40%未満)と左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF、左室駆出率50%以上)に大別されます。
HFrEFでは、しばしば血圧が正常か低く、降圧薬の使用は降圧ではなく心不全再入院を抑制し予後を改善することに主眼を置いています。
RA系阻害薬は、ステージAから投与が推奨され、β拮抗薬(カルベジロール、ビソプロロール)は、心不全症状の有無にかかわらずステージB以上のHFrEFの予後を改善し入院頻度を減少させるため導入を試みます。MR拮抗薬も心不全や心筋梗塞後に予後を改善することが示されています。
我が国の心不全のガイドラインでは、RA系阻害薬・ARNI、β遮断薬、MR拮抗薬、SGLT2阻害薬の4種類の薬剤が基本となる治療が推奨されています。
HFrEF治療薬の導入には、心不全の悪化、低血圧、徐脈、腎機能低下などに注意しながら、降圧治療の1/4~1/2といった少量から緩徐に注意深く漸増していきます。
HFpEFでは、心不全入院予防の観点から収縮期血圧130mmHg未満を降圧目標とします。
ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、MR拮抗薬、ARNIは、HFpEFの生命予後の改善はしなかったが、心不全入院の減少が示唆されています。また、糖尿病の有無にかかわらずHFpEFではSGLT2阻害薬の有効性が証明されています。
参考文献
「高血圧管理・治療ガイドライン2025 日本高血圧学会」
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