梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
C型肝炎
直接作用型抗ウイルス薬(DAA)
インターフェロンもリバビリンもC型肝炎に対しては非特異的な抗ウイルス薬でした。
C型肝炎ウイルスは一本鎖のプラス鎖RNAウイルスであり、細胞内では一本鎖のポリプロテインとして翻訳されます。ウイルスの増殖には、非構造領域のなかのプロテアーゼ、ポリメラーゼ、そして酵素活性がなくNS5Aという領域が必要です。
それぞれの部位に対する阻害薬(DAA)が開発され、最初はプロテアーゼ阻害薬とインターフェロン、リバビリンを併用する3剤治療であったが、その後、異なるクラスのDAAを二種類組み合わせて、インターフェロンを使用することなく治療する現在の治療になりました。
インターフェロン治療の時代は50%を超えることがなかったウイルスの駆除率が、3剤治療になると80%、そしてDAAの組み合わせで治療する時代になると95%以上に達するようになりました。
重要なことは、治療期間が12週間と極めて短くなり、インターフェロン投与に伴う特有の副作用がないことから、肝硬変患者にも投与が広がり、適応も広がりました。
耐性ウイルス
特異的な抗ウイルス薬の時代になると、非特異的な抗ウイルス薬の時代にはなかった新たな耐性の問題が出現しました。
増殖に必要なウイルスタンパクの特異的な構造をターゲットにしているため、そこに変異が起こると薬剤が効きにくくなります。
プロテアーゼ阻害薬、NS5A阻害薬には、様々な耐性が出現し、最終的にすべてのNS5A阻害薬に対して強い耐性を示す株が出現するようになりました。
現在、耐性ウイルスが出現した患者に対して、グレカプレビル/ピブレンタスビルの12週投与、あるいはソホスビル/ベルパタスビル+リバビリンの24週投与が標準治療となっています。
非代償性肝硬変の治療
非代償性肝硬変の生命予後は、チャイルド・ピュー分類Bで約70%、Cでは約30%であり、極めて予後の悪い疾患です。
第3相臨床試験にて、B分類で90%、C分類で80%のウイルス駆除率であり、NS5A阻害薬とポリメラーゼ阻害薬の2剤の組み合わせによる治療が承認されています。
非代償性肝硬変患者にDAA治療を行っても、その後の4年の発癌率は30%に近く、また様々な非代償性イベントの発生率は5年で30%を超えています。治療導入後も綿密な経過観察と適切なタイミングでの治療が必要になります。
C型肝炎は、単なる感染症ではなく、ウイルス排除後も肝硬変は残ることに留意し、ウイルス排除後も発癌などのリスクが残存し、最近のC型肝癌の大半は、ウイルス排除後のpost-SVR肝癌であることも認識しておく必要があります。
B型肝炎
B型肝炎ウイルスは、二本鎖DNA(不完全環状)ウイルスであり、NTCPという胆汁酸トランスポータを介して肝細胞に侵入し、脱殻してゲノムDNAが宿主の核内に入ります。ここで複製可能なCCC DNA(完全二本鎖環状DNA)が形成され、これがウイルス発現の鋳型になります。CCC DNAからは様々なサイズのRNAが産生され、そのなかで最も長いものがプレゲノムRNAとなり、これが逆転写されることによりゲノムDNAが複製され、ウイルスが産生されます。
現在、B型肝炎の治療薬の主力となっている核酸アナログ薬は逆転写酵素阻害薬であるが、ウイルスの産生は抑えられるが、様々なRNAから読まれるウイルスタンパク、たとえば、HBs抗原などの産生は抑えることができず、そもそもウイルスの鋳型であるCCC DNAは肝細胞から排除されることはありません。すなわちC型肝炎治療のDAAと異なり核酸アナログ薬はウイルスを排除することができません。
抗ウイルス薬
B型肝炎の抗ウイルス薬として、抗ウイルス効果がより顕著なのは核酸アナログ薬です。核酸アナログ薬は、インターフェロンに比べてウイルス増殖を抑制する効果が確実かつ強力であり、肝炎を鎮静化し、病態の進行を抑制します。しかし、ウイルスを排除することができず、発癌リスクは長期にわたって変化せずに残存します。
参考文献 「日本内科学会雑誌 114⑨」
《関連ページ》
''''
Copyright © 2025 梶が谷駅前内科クリニック All Rights Reserved.
川崎市高津区末長1-9-1スタイリオ梶が谷MALL 6F 044-872-8452
powered by Quick Homepage Maker 7.3.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK