梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
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2017年に慢性便秘症のガイドラインが作成されています。
便秘とは、排便回数や排便量が少ないために便が大腸内に滞った状態または直腸内にある便を快適に排出できない状態です。
慢性便秘(症)の分類には、いくつかありますが、原発性と続発性とに分けられます。
原発性は、便が大腸を通過する時間や直腸肛門の機能により、通過時間正常型(食事の内容や量が便秘の原因)、通過時間遅延型(大腸の動きが悪く、便が腸内に停滞している状態)、便排出障害型(便は直腸まで降りてきているものの、排便反射の低下により排便困難な状態)に分けられます。
続発性は、背景に基礎疾患が隠れている場合です。器質性(がんなど)、症候性(糖尿病、甲状腺機能低下症、慢性腎不全やパーキンソン病など)、薬剤性(抗うつ薬、麻薬性鎮痛薬(オピオイド)、抗ヒスタミン薬など)があります。
便秘の主な症状としては、①回数の減少②排便困難感③残便感があげられます。
便秘の問題は、精神的にQOLを下げる(不安、抑うつ、不満)こと、さらには、生命予後を下げるとも言われています(便秘が重症化すると、心血管イベントが上昇)。
症状が強い場合や治療に難渋する場合は、続発性も考慮し、一度、がんなども隠れている場合もありますので、便潜血検査や大腸内視鏡も検討します。
また、原発性でもどのタイプかみるために、腹部レントゲンや腹部エコー検査も有用な場合があります。
便中には50%以上の水分を含んでいます。
便の状態の評価に、ブリストルスケールがありますが、1~7段階あり、3~5が正常便です。正常便での水分含量は、70~80%ですが、わずか10%少なくなれば硬便で便秘となり、逆に10%多くなれば下痢となります。
慢性便秘の病態(原発性)で問題となるのが、①大腸の蠕動運動の低下(通過遅延型:便の移送の問題)②直腸肛門反射の低下(排出困難型:便の排出の問題)です。
この状態は、例えば、朝の時間がないためや通勤電車のために、排便を我慢することで②の排出困難型となり、さらに、次第に①の通過遅延型も合併していくというケースです。
便秘の治療ですが、まずは生活習慣から見直してみます。
①食事:朝食を食べる(胃結腸反射により便意が起こります)、水分や食物繊維をとる②生活:便意があったら我慢せずトイレに(排便反射の維持)③運動:運動とその後の休息(運動後の休息で蠕動運動亢進)④姿勢:前かがみの姿勢などが挙げられます。
さらに、併せて、便秘薬を正しく使用していきます。
便秘薬には、大きく分けると①浸透圧性下剤、上皮機能変容薬(便を柔らかくすることで、大腸が自然と動くようになる)、②大腸刺激性下剤(大腸を動かす)があります。
①には、酸化マグネシウム、モビコール、ラクツロースやアミティーザ、リンゼス、グーフィスなどがあります。
②には、アローゼン、センノシド、ラキソベロンなどがあります。
便秘薬にも違いがあり、それぞれの特徴がありますし、ここ数年で新しくより自然に排便を促す薬もでていますので、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。
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