腎障害進展予防を視野に入れた肥満糖尿病の内科・外科治療

肥満の目安となるBMI(体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。性別にかかわらず、BMI18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と判定されます。

さらに、BMI35以上が「高度肥満」と定義されています。

肥満に糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸症候群や肥満関連腎臓病などの健康障害が合併することで、「肥満症」という診断になります。

高度肥満では、内科やメンタルヘルスの治療を行っても十分効果が上がらない場合には、条件を満たせば肥満外科治療も保険適応となっています。

肥満外科治療(腹腔鏡下スリーブ状胃切除など)により、腎機能障害の指標となる蛋白尿や血清クレアチニン値も低下する可能性があります。

もちろん、手術とあわせ、行動変容がなければ長期的に改善効果が続かないこともあります。

外科治療だけではなく、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬は、尿蛋白やeGFR(腎機能の指標)を改善することも示されています。

肥満糖尿病の治療が腎障害の進展予防にもつながる可能性があります。


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