透析での糖尿病管理と栄養障害

透析(末期腎不全)になる原因疾患の第1位が糖尿病で約45%を占めています。

これまで増加の一途をたどっていましたが、透析に至る前の糖尿病性腎症の治療において、ARBとDPP-4阻害薬の使用の効果により、ここ10年では50%を超えずに横ばいとなっています。

さらに、SGLT2阻害薬の登場も腎機能障害進展の抑制効果が期待されています。

透析患者さんの糖尿病治療では、HbA1cが高い方だけではなく、低すぎても生命予後に良くない(死亡リスクが上昇する)ことが知られています。(ただし、透析患者さんでの血糖コントロールは、HbA1cよりもGA(グリコアルブミン)の使用が推奨されています)。

HbA1cがせっかく低いのになぜかというと、そこには栄養状態が悪い方が多く含まれているからです。

このことは、P(リン)値BMI(Body Mass Index)も同様のことが言えます。

栄養状態が悪い方がHbA1c、P, BMIがともに低くなり、生命予後を悪化させています。

糖尿病の血糖コントロールは必要ですが、むしろ、栄養状態を改善させ、やせ過ぎないようにすることが大切となってきています。


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