肥満と高血圧

肥満と高血圧

肥満と高血圧症発症頻度の上昇は、因果関係が明らかです。
肥満者は、正常体重者と比較して、約2~3倍多く高血圧症にかかります。
BMI値(肥満度)が高いことや体重の経時的増加は、有意な高血圧発症危険因子となっています。

減量(ダイエット)の降圧効果

体重1.0kg減少につき、収縮期血圧1.1mmHg、拡張期血圧0.9㎜Hgの低下と推察されています。
4.0kg減量で、4.5mmHg/3.2mmHgの低下が得られています。

体重から計算するBMIに加えて、メタボリックシンドロームの構成因子である内臓脂肪量の判定は、腹囲(ウエスト周囲長)で測定されています。

肥満により高血圧が起こるメカニズム

過食のために、塩分も摂りすぎることとなり、体内にナトリウムが過剰になっていると考えられ、また肥満になると過剰に分泌されたインスリンの働きによって、腎尿細管でのナトリウムの再吸収が亢進するため、さらに血液中のナトリウムが増加します。それを薄めようと血管内に水分が流動し、全体の血液量が増えることで血圧が上昇します。
②過食や過剰に分泌されたインスリンのために交感神経系が刺激され、血中にカテコールアミンが放出されます。カテコールアミンは末梢血管を収縮させる働きがあるため、血圧が上昇します。
③肥大した脂肪細胞から分泌されるアンギオテンシノーゲンという生理活性物質が血管を収縮する働きがあるため、血圧上昇へとつながります。

内臓脂肪の過剰蓄積(腹囲長)は、肥満(BMI値)と同様に高血圧を起こすと考えられています。

肥満⇒ 血管が収縮する 体液量が増加する⇒ 高血圧に

参考資料
「高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会」
「日本肥満症予防協会 肥満と高血圧」

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