糖尿病とPAD

Peripheral arterial disease (PAD)は、末梢動脈疾患で、心臓や冠動脈を除く全身の動脈硬化性疾患のことです。
PADの診断は、足関節上腕血圧比(ABI)の数値が、0.9未満で診断されます。

症状による重症度分類では、無症候性間歇性跛行(IC)、重症下肢虚血(CLI)(安静時疼痛、虚血性潰瘍・壊疽)及び急性動脈閉塞(ALI)に分かれます。

糖尿病患者では、10%近くがPADを合併し、また、CLIに至るリスクが3-4倍あるとも言われます。
また、PADは、冠動脈疾患(CAD)あるいは脳血管疾患(CVD)の単独の合併、あるいは両者の合併を高率(約60%)に認めるため、PADと診断されれば、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併している、または将来的に合併する可能性を考えなくてはならないのです。

また、CLIの約40%は、症状のない無症候性から一気に発症すると言われます。

つまり糖尿病患者では、PADを合併しているか検査をし、PADがあれば、狭心症や脳梗塞の合併の有無の検査もし、さらに、足に傷(水虫、靴擦れ、巻き爪)がないか確認し、傷を負わない、または広げないように気をつけることが重要となってきます。


《関連ページ》