非ウイルス性肝疾患が増加

奈良宣言2023

1.ウイルス性肝疾患から非ウイルス性肝疾患へ
日本の肝癌の背景疾患はここ十年で大きく変貌し、初発例に関しては非ウイルス性肝癌が半数以上を占めるようになった。
肝硬変に関しては、2018年から2021年の調査では非ウイルス性肝硬変が、約3分の2を占めるようになっている。なかでもアルコール性肝障害の占める割合が35%非アルコール性脂肪肝炎の占める割合が15%と増加が著しい。飲酒や肥満など生活習慣病を基盤とした非ウイルス性肝疾患への対策が課題となっている。

2.奈良宣言
日本肝臓学会は2023年6月に奈良宣言を発表し、肝炎ウイルスや脂肪肝、アルコール、免疫異常等さまざまな原因により生じる肝臓の慢性炎症状態をCLD(慢性肝臓病、Chronic Liver Disease)と定義された。
血液検査では、ALT>30U/Lが正常からの逸脱を意味し、これをCLD診断の糸口とするように広く呼びかけている。

参考文献 :日本内科学会雑誌 113-1 January 10 2024 参照

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