梶が谷駅前内科クリニック
公式ブログ
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水痘・帯状疱疹ワクチン
水痘予防目的とした乾燥弱毒生水痘ワクチンは、2014年10月に小児の定期予防接種として導入されました。
帯状疱疹予防目的として近年2種類のワクチンによる予防が可能となっています。乾燥弱毒生ワクチン、乾燥組換え帯状疱疹ワクチンです。
水痘は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染の病態を指します。
VZVは初感染後、脊髄神経根神経節等に終生潜伏感染し、のちに加齢や免疫能低下などで再活性化することで帯状疱疹を発症します。
水痘は、発熱、全身性発疹(典型的には体幹部から出現し、顔面、四肢に拡がり、口腔内や頭髪部にも)を認めます。潜伏期間は14~16日で、皮膚細菌性二次感染、肺炎、肝炎、脳炎等神経合併症などの様々な合併症があります。
成人は、合併症がなくとも重症となり入院を要することも多いです。
帯状疱疹は、典型的には片側性・帯状に疼痛を伴う集簇した水疱を形成する。水痘罹患歴のある3人に1人が80歳でに帯状疱疹を発症すると言われており、加齢に伴い罹患率、重症度が高まります。再発率は、1~6%の範囲の報告があります。
帯状疱疹後神経痛(PHN)は代表的な合併症で、痛みが数か月から数年にわたって持続します。帯状疱疹例の5~30%でPHNを生じます。
水痘
水痘の感染経路として、成人および乳児のVZV感受性者において、父母、祖父母、あるいは職場の帯状疱疹患者も重要な感染源であるとされます。海外からの留学生の報告もあります。
帯状疱疹
帯状疱疹の罹患率は、50歳台から上昇し、70歳台で最も高くなります。
水痘予防ワクチン
①乾燥弱毒生ワクチン
成人における接種対象者として、水痘のハイリスク者と密に接する同居者や医療従事者、妊娠前の接種が望まれます。
また、暴露後予防としてVZV感染の機会から72時間以内の緊急ワクチン接種により水痘発症予防もしくは重症化予防が可能な可能性があります。
有効性は、定期接種導入後の国内小児の症例で、1回接種で76.9%、2回接種で94.7%とされます。
帯状疱疹予防ワクチン
①乾燥弱毒生ワクチン
2016年3月に50歳以上の者に対する帯状疱疹予防が効能、効果で追加されました。帯状疱疹予防目的では、免疫抑制状態にある者は接種不適当にあたります。0.5mlを皮下接種します。
有効性は、帯状疱疹、PHN発症予防効果は、接種後観察期間3年でそれぞれ51.3%、66.5%と報告されています。経年的な有効性の減衰が指摘されており、7~11年間では、21.1%、35.4%とされます。
尚、追加接種に関して、10年前に生ワクチンを接種した70歳以上の対象者に再接種後のVZV特異的細胞性免疫応答は、初回接種者に比べて大きく、ブースター効果が確認された報告があります。
②乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
VZVの表面糖タンパク質E(gE)とアジュバントASO1Bを組み合わせた組換えサブユニットワクチンです。
2018年3月に50歳以上の者を対象に承認され、2023年6月に帯状疱疹に罹患するリスクが高い18歳以上の者に適応拡大されました。
0.5mlを2回、通常2か月間隔(6カ月までに)をおいて筋肉内接種を行います。
有効性は、50歳以上、70歳以上を対象で、帯状疱疹予防効果は、それぞれ97.2%、89.8%と報告されています。
70歳以上でのPHN予防効果は、89.8%でした。
追跡期間10年までの帯状疱疹予防効果は、8年で83.3%、9年で72.7%、10年で73.2%でした。
さらに、モデリングにて15年、20年後もほぼ横ばいで維持されると推定されています。
追加接種に関して、10年の時点に1回の追加接種で良好なブースター効果が報告されています。
参考文献:「成人を対象としたワクチン接種」日本内科学会雑誌 113⑪
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