インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチン
現在のインフルエンザワクチンは、エーテル処理により
ウイルス粒子の形態を壊して不活化したワクチン(不活化ワクチン)で、HAワクチンと呼ばれています。
2015/2016年シーズン用からは、A型2価とB型2価の4価ワクチンに変更となっています(以前は、A型2価とB型1価の3価ワクチン)。

流行するインフルエンザウイルスは、変化を続けているため、ワクチンに使用するウイルス株も適宜変更されています。

実際に流行したウイルスの抗原性と前シーズンまでの流行を考慮して推奨されたワクチン株の抗原性との違いが大きい場合は、ワクチンの効果が低下する可能性があります。
また、インフルエンザウイルスがワクチンから逃れるように変化している可能性もあります。

現在の不活化ワクチンの接種は、3歳以上13歳未満では、0.5mlを皮下に2~4週の間隔をおいて2回接種します。
13歳以上では、0.5mlを皮下に1回接種することが推奨されています。尚、おおよそ1~4週間の間隔をおいて2回目の追加接種をするこも可能です。ただし、成人における不活化ワクチンの2回目の追加接種の効果は明確には確認されていません。

医学的に接種が不適当な方を除けば、インフルエンザ発症と重症化を防ぎたいすべての方、特に重症化や合併症のリスクが高い人の家族や医療従事者などが任意接種を考慮するとよいとされます。
米国の疾病対策予防センター(CDC)では、基礎疾患を有する患者(心臓、腎臓、呼吸器、免疫機能不全など)や妊婦については、積極的な接種を勧めています。

インフルエンザワクチンの発症予防効果は30~70%程度とされていますが、発症予防効果以外にも高齢者における肺炎予防効果やインフルエンザ関連の入院を減少させる効果があるとされます。

参考文献:「成人を対象としたワクチン接種」日本内科学会雑誌 113⑪ 

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